池田亮司展

東京都現代美術館池田亮司展をみにいく。
1階の展示室は真っ黒な空間の中にdatamaticsの映像が並んで白く浮かびあがる展示、
地下1階の展示室は真っ白な空間に置かれた5台の真っ黒いスピーカーからノイズが淡々と流れる展示。


1階での映像は、2年くらい前に写真美術館のホールで行われたコンサートで目にした映像だったので特に新鮮味はなく、むしろ展示になるよりもコンサートの時の方が強度があった気がするが、これは一度見たせいなのか、それとも展示になることで本当に強度が失われてしまってるのか、いまいち判断がつかない。ていうか最近美術を見てもあまり感動できないのは僕の感受性が鈍くなってるんだろうか。映像生成のロジックを教えてくれたほうがもしかしたら感動できたかもしれない。



それはともかくとして、現代のミニマリストは単純さを過剰に突き詰めることで多様さを表現する方向にいってますね。黒いスチール板(?)に刻まれたグレーの1mm角の数字の途方もない羅列を目を凝らして凝視するのは夜空の星を眺めるか、顕微鏡で細胞を覗き込む体験に似てなくもない(気がする)。数学的な秩序の探求を行う、音楽家/美術家として貴重な存在。まあなんだかんだ言って僕もファンなので、これからの活動も楽しみにしてるわけですが。



↑これたぶんコンサートの時の映像。あの時の興奮を思い出してきたぞ。
展示とは違い映像が時間的に重なってスクリーン上で縦横無尽に錯綜してるかんじで、こっちのほうがいいなやっぱり。そりゃあそうか、だってチケット代が今回の展示の入館料の8倍するんだものw