昭和史を見直す

昭和史戦後篇 (平凡社ライブラリー)

昭和史戦後篇 (平凡社ライブラリー)

とはいえ今んとこ興味あるのは戦後昭和史なので、下巻から読んだ。
戦争終結直後のGHQによる日本改造については執拗なまでに詳しく描かれていて、実にこの600ページある本の半分がGHQに割かれており、その記述はかなり詳細である。



自分としては60年安保闘争以降の日本のニューレフトの動向が知りたかったので少し目的から逸れはしたが、それが成立する土壌を知る事ができたという点では結果的に良かった。かなり平易な言葉で書かれているため、歴史をなぞるという点で僕のように知識が乏しい人間にとっては有益だし、日本改造がどのように行われたか詳細を知るには良い。ただし思想史としては全く使えないので、次にこちらを読み始める。


1968年 (ちくま新書)

1968年 (ちくま新書)


現代日本における多くの人にとっての根底の思想になっているニューレフト思想の起源を探るという主旨で、著者も前書きで書いているが懐古趣味的な歴史でなく現代を考えるための歴史書と言える。


僕らが今現在、何かを発言しようとしても歴史認識がなければ何も言ったことにはならないのではということを強く感じている。もちろん、一国民として、ということであれば別であるが、僕はなぜかそういうメンタリティを持つことが昔からできず、大きなパースペクティブ抜きには物が語れない。かといって知識量が非常に乏しい、ということがずっと生きづらさに結びついてきたように思う。そうやって色々なことを学んだ挙句にようやくたどり着いた答えが、全くもって普通だった、ということがここ最近よくある。なんだかすごく遠回りして普通の人間にようやく近づいているようである。