人ごみの中で

塾が終わった後に新宿の人ごみを見て久々に気持ち悪くなった。
人ごみの中は基本的に好きだけれども、思えば東京に出てしばらくは人ごみに入ってよく気持ち悪くなったのだ、という記憶がよみがえった。これだけたくさんの人の全てが、自分と同じように色々な人生の中でたくさんの悩みやなんやかんやを抱えながら生きていると想像すると途方もない気分になってしまっていてもたってもいられなくなり吐気をもよおした。いつのまにか群衆の中で膨大に広がる私的な生活を捨象することを覚えてから人ごみの中にまぎれるのが好きになったんだった。