僕の学校


山田家に泊まった後、フリーペーパー、「Urban news paper」(仮称)の調査で豊洲へ。
何の調査かまだ明らかにはできませんが、豊洲をひとまわり歩いてみて色々発見がありました。
まず、公共空間の充実は素晴らしいものがあって、まあ高いマンションを建てようとするときに公開空地をとってるので当たり前なんだけど、それがうまいこと機能しているなという印象。ここ数年の日本の公共空間、というか公園などのデザインはほんとにレベルが上がってると思う。

豊洲ももちろん新たに開発された新興住宅地でありながら、他の地域のそれと一線を画しているのが、都心に近く、なおかつ運河に囲まれているため、月島や汐留の高層ビル群、でなくても街並が一望できること、また工業地帯の名残がまだ残っていて、日常的にそれを見る事ができるところが、新興住宅地にありがちな疎外感(というよりは囲い込み感)を退けていて、それをうまくデザインに取り入れてるところがあるのが秀逸。建物自体のデザインはまあ置いといて、景観に対する戦略で言えば評価できるんじゃないかな。



そして僕にとっての学校とは大学ではなくて、こういう生身の都市を肌で感じることこそが、学びの場なのだと思う。新潟の田舎から出てきてからこれまでの数年間での東京の変貌というのはすさまじいものがあり、その変化のダイナミズムを肌で感じることができるのが、一番の勉強になる。




豊洲での調査の後、吉祥寺にあるサウンド研究所、「サウンドカフェ・ズミ」にまっしと一緒に行く。
店主である泉さんが素晴らしい方で、これまでに蓄えてきた膨大な数のレコードと湯水のように溢れ出る知識でもって、一々僕らみたいなアホガキに講釈をしてくれる。泉さんは、自分が蓄えてきたものを後世に伝えたいという使命感をもってやっておられるそうですけど、その情熱はすさまじいものがあります。コーヒー一杯でそれだけの知識を披露してくれるそのカフェは、紛れも無く僕にとっての学校であり、表現に対する意識の高揚を促してくれる希有な場所なのであります。コーヒー一杯じゃ申し訳ないので、次回からはワイン一本頼みます。存続してほしいからね。